ChatGPT、GPT-4をまだ使っていないという方、ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長の孫正義氏によれば「人生を悔い改めた方がいい」と断言。
この衝撃的な発言は、孫正義氏が2023年10月4日に「SoftBank World 2023」で行った特別講演でのものです。
この記事では、その特別講演で孫氏が語ったChatGPTやAGI(汎用人工知能)に関する見解を詳しく解説します。
孫氏自身のChatGPTの活用法、これからの10年で何が変わるのか、そしてその変化にどう備えるべきかといった、さらに興味深い内容が盛りだくさんです。ぜひ最後までお読みいただきたいと思います。
この記事を読むことで、以下のメリットがあります。
- 未来のAIトレンドを先取りできる: 孫正義氏が語るAIと人類の未来についての深い洞察を得ることができます。特に、AGI(Artificial General Intelligence、人工一般知能)がもたらす未来の変革や、ChatGPTとGPT-4の進化と多面的な活用法について、専門家の視点から解説しています。
- 日本のAI活用状況を把握し、対策を考える: 孫氏が指摘する日本企業におけるAI・AGIの現状とその懸念点を知ることで、自社や自分自身がどのようにAIを活用していくべきかのヒントを得られます。
- ChatGPTを日常生活やビジネスでどう活用するかの具体的なアイデアを得る: 孫氏によるChatGPTとGPT-4の独自の活用法、例えば「知恵の相談相手としてのChatGPT」や「ディベート相手としての活用」など、AIをより身近なものとして活用するための具体的な方法を学べます。
この記事を読むことで、AIとその進化についての理解が深まるだけでなく、具体的な活用方法や未来への備えについても考えるきっかけを得られるでしょう。
孫正義氏の先見の明に学び、未来への備えをしていきましょう。
【ノーカット】孫正義氏「SoftBank World 2023」特別講演の動画
「SoftBank World 2023」での孫正義氏の特別講演のノーカット動画が、時事通信映像センターのYouTubeチャンネルにアップロードされていました(2023年10月6日現在、動画は削除されているようです)。
【10/7追記】ロングバージョン版の動画がアップロードされました
時事通信映像センターのYouTubeチャンネルでの、孫正義氏の「SoftBank World 2023」特別講演のノーカット版は削除されたようですが、ロングバージョン版の動画がアップロードされたのでご紹介します。
「金魚」と「10年以内にAGIが実現する」の重要なスライド
孫正義氏、ソフトバンクグループの会長兼社長の講演で、AI(人工知能)とAGI(Artificial General Intelligence、一般人工知能)について語りました。
特に注目すべきは、孫氏が「この講演には60ページのスライドを用意したが、その中で最も重要なスライドは2ページで、そのひとつがこの金魚のスライドだ」と紹介した点。
そして、「10年以内にAGIが実現する」という予測です。
今回の記事では、これらのポイントを中心に、孫氏の講演から我々が学べること、そしてAIとAGIの未来について考察していきます。
AGI(Artificial General Intelligence)とは何か?
AGI(汎用人工知能)とは、Artificial(人工的な)、General(一般的な)、Intelligence(知能)の頭文字を取った言葉です。人間と同等またはそれ以上の知能を持つとされる形態の人工知能です。
この知能は、特定のタスクだけでなく、多様なタスクにおいて人間と同等またはそれ以上のパフォーマンスを発揮するAIを指します。
つまり、AGIは「ジェネラル」、すなわち「一般的な」知能を持つAIです。現在のAIは大抵が特定のタスクに特化していますが、AGIはそれを超えて多様な問題解決能力を持ちます。
孫正義氏の定義:AGIは人間を超える知能
孫正義氏の講演によれば、AGI(Artificial General Intelligence)は、AI(Artificial Intelligence)とは一線を画す概念です。
AIは特定のタスクにおいて人間を超える能力を持っていますが、AGIは「何を聞いても、何を話しても、人間より優れている」という状態を指します。
知能の強さの要因:ハードウェアとソフトウェア
孫氏は、知能の強さにはハードウェア的な要因とソフトウェア的な要因があると説明します。
ハードウェア的な要因とは、脳細胞(ニューロン)の数、ソフトウェア的な要因とは、学習や教育によるものです。
これはAIにも当てはまり、AIの強さはハードウェア(ニューラルエンジン)とソフトウェア(AIのトレーニング)によって決まると言います。
AGIがもたらす未来の変革
孫氏は、AGI(Artificial General Intelligence、汎用人工知能)が10年以内に実現し、その知能レベルが人類の総和の10倍に達すると強調しています。
このような進化が現実になれば、人類の仕事や価値観、社会構造、さらに人間関係まで、根底から変わる可能性があります。
孫氏は、このような未来に備え、今からAGIについて深く理解し、その進展に備える必要があると訴えています。
孫氏によるChatGPTとGPT-4の独自の活用法
ChatGPTとGPT-4の進化と多面的な活用法
ChatGPTはOpenAIによって開発された会話型のAIで、その最新版がGPT-4です。GPT-4は、前世代であるGPT-3よりも高度な自然言語処理能力を持っています。
このAIは、テキスト生成、質問応答、文章の要約など、多くの用途で活用されています。特に、GPT-4は多言語対応が進んでおり、英語だけでなく日本語でも高いパフォーマンスを発揮します。
「GPT-4」についてはこちらの記事に詳しく解説しています。
知恵の相談相手としてのChatGPT
孫氏は、GPT-4を仕事で頻繁に活用しています。
孫氏は、ChatGPTやGPT-4を単なるリサーチツールとして使うのは間違った使い方だと強調しています。
そして、AIは「知恵の相談相手」としての役割を果たすべきだと。つまり、単に情報を検索するだけでなく、より深い洞察やアイデアを得るために活用することが重要です。
孫氏自身も、ビジネス戦略や重要な決断をする際に、ChatGPTの知恵を頼りにしています。
ディベート相手としての活用
孫氏が最も頻繁に行っている使い方は、ChatGPTをディベートの相手として使うことです。
孫氏は「最近僕のやり方は、自分で知恵のバウンスをやる壁打ちをするのも面倒くさくなって、GPTの中にキャラクターをいくつか作って、キャラクター同士でディベートさせて、僕は審判役で見ながら時々チャチャを入れるというやり方で議論がガンガン進んでいく」と語っています。
この方法によって、多角的な視点からの議論が可能となり、より高度な結論に至ることができると彼は信じています。
AIを活用する未来のビジョン
孫氏は、このような独自の使い方を通じて、AIと人間が協働する未来を形作っています。
孫氏は、GPT-4やその他の先進的なAI技術を活用することで、人間自身の思考や判断がより高度になると考えています。
特に、孫氏は「うちの役員とディベートするよりも、GPT-4とディベートした方が議論が進む」とも述べており、AIの進化が人間の知的活動をどれだけ豊かにできるかを強調しています。
孫正義氏の未来ビジョン:GPT-4とAIがもたらす新しい世界
孫氏の講演で注目されたのは、GPT-4と未来のAIについての洞察です。彼が語る未来は、AIが人類の知識や能力を遥かに超える可能性を秘めています。
ここでは、GPT-4と未来のAIがどれほど進化しているのか、そしてその進化が人類にどう影響するのかを詳しく解説します。さらに、未来のAIが人類をどれほど超える可能性があるのか、その驚くべきビジョンについても触れます。
GPT-4の多才な能力と孫氏の見解
孫氏によれば、GPT-4は医学試験や法学試験にも合格するレベルの知識を持っています。それだけでなく、物理、化学、数学、歴史など、多岐にわたる分野での知識も豊富です。
孫氏はこれを「生成AI(Generative AI)」として評価しており、このAIが自ら学習し、進化していると強調しています。
そして、孫氏は、このような多才な能力が、未来の産業や社会に多大な影響を与えると確信しています。特に、医療や法律の専門家が何年もかけて学ぶような知識を、GPT-4が短期間で習得している点には特に注目が集まっています。
一時的な問題:ハルシネーションと孫氏の展望
孫氏は、GPT-4にはまだハルシネーション(誤情報の生成)といった問題も存在すると指摘しています。
しかし、これは一時的な問題であり、今後のコンピュータパワーの向上とトレーニングによって、さらに進化するとの見解を示しています。
孫氏は、この問題が解決されれば、GPT-4の信頼性と有用性がさらに高まると考えています。
10年後のAI:AGI(人工一般知能)と孫氏の予測
孫氏は、10年以内にAIがAGI(Artificial General Intelligence)として、人類の知恵の10倍の知能を持つ可能性があると語っています。
孫氏によれば、これが現実となれば、人類が地球上で最も優れた知恵を持つ存在であるという前提が崩れるでしょう。
このような未来が訪れた場合、人類はAIとどのように共存していくべきなのか、新たな倫理観や法的枠組みが必要になると孫氏は警告しています。
AGIと未来の産業:孫氏のビジョン
孫氏は、AGIが実現すれば、運輸、金融、製造業、ロジスティクスなど、あらゆる産業に影響を与えると考えています。
特に、自動運転技術が進化すれば、交通事故は大幅に減少する可能性があり、これが社会全体の安全性を高めると強調しています。
また、金融業界においては、より高度なリスク分析と投資戦略が可能になると孫氏は予測しています。
孫氏の講演:AIと人類の未来、そして日本が直面する課題
マルチモーダルAI(MMM )への進化
孫氏は、AI(人工知能)の進化について非常に明確なビジョンを示しています。
特に注目すべきは、AIが「LLM(大規模言語モデル)」から「MMM(マルチモーダルモデリング)」へと進化するという点です。これは、AIがテキストだけでなく、視覚、聴覚、触覚など多くのセンサーを活用する段階に進化することを意味します。
孫氏は、OpenAIが開発したChatGPTがすでにこの方向に進化していると紹介。例えば、自転車の画像を見せてサドルの調整方法を尋ねると、AIはその画像から調整方法を教えてくれるという具体例を挙げました。
ChatGPTのマルチモーダルの新機能「画像認識・音声会話」についてはこちらの記事に詳しく解説しています。
孫氏の未来予測:AIの進化と「金魚」の警告
孫氏は、AIの進化が今後10年で10倍から1万倍になると予測しています。この進化に適応できない人々は、知能レベルで「金魚」に近い存在になる可能性が高いと警告しています。
孫氏が最初のスライドで「金魚」を例に出したのは、その知能レベルが人間の1万分の1であるためです。この比較は、AIの進化に適応できない人々が取り残される可能性を示しています。
孫氏はさらに、AIが進化してASI(Artificial Super Intelligence)に至ると、その知能は人間をはるかに超えるとも述べています。
ASIが現れると、その知能レベルは人間を圧倒するものとなり、人々がどれだけ適応しようとも追いつくことはできないでしょう。
ASI(Artificial Super Intelligence)とは?
ASIとは、人間の知能をはるかに超える能力を持つAI(人工超知能)のことです。
科学的研究、一般的な知識、社会的洞察、感情的知覚など、人間が得意とするあらゆる領域で人間よりも優れた性能を発揮するとされています。
シンギュラリティとその後の10年:未来の知能格差とその対処法
孫氏は、AIが人間の知能を超える瞬間、通称「シンギュラリティ」が今後10年以内に到来すると明言しています。その後の10年では、AIの知能は人間を1万倍も超える可能性があると警鐘を鳴らしています。
この進化のスピードと規模は、人類史上前例のないレベルで、その対応が急募されています。
孫氏の警告は、我々がこれからどのようにAIとASIに適応していくか、その方向性を示しています。この警告を真剣に受け止め、AIとASIの進化に備えることが、未来の知能格差を防ぐ鍵となるでしょう。
このような未来を避けるためには、AIとASIの進化に対する深い理解と、それに対応する具体的な準備が必要です。
孫氏は、この準備と理解が今後10年、さらにその次の10年を生き抜くための最重要課題であると強調しています。
日本のAI活用状況と課題
孫氏は、日本企業のAI活用状況についても言及しています。
アメリカでは51%の企業がAIを活用しているのに対し、日本ではわずか7%しか活用していないと指摘。
さらに、72%の日本企業がAIの使用を禁止しているというデータを引用し、日本がAI・AGIの波に乗り遅れる大きな要因となっていると懸念しています。
緊急性と行動の必要性
孫氏の講演には明確な緊急性が感じられます。
日本の企業、若者、そして全ての人々に対して、AIとその進化に目を向け、今すぐ行動を起こすべきだと力説しています。
今回の孫氏の講演は、AIと人類、特に日本がこれからどう向き合っていくべきかを考えさせる、非常に重要な内容でした。
まとめ
孫正義氏の特別講演では、AIと人類の未来、そして日本が直面する課題について多角的に解説されました。
特に注目すべきは、10年以内に実現するとされるAGI(Artificial General Intelligence)とその影響。
孫氏は、AIがテキストだけでなく、マルチモーダルAI(MMM)へと進化すること、さらにはASI(Artificial Super Intelligence)までの可能性を指摘しています。
日本のAI活用状況についても触れ、緊急性と行動の必要性を強調。この記事を通じて、未来のビジョンを掴み、AIの具体的な活用方法を知ることができます。
以下に、その重要なポイントをまとめます。
孫正義氏が「SoftBank World 2023」で行った特別講演の重要なポイント
- 10年以内のAGI実現: AGIがもたらす未来の変革とその影響について理解することができます。
- 孫氏によるChatGPTとGPT-4の独自の活用法: AIの多面的な活用が可能であり、それがビジネスや日常生活でどのように役立つかが具体的に示されています。
- マルチモーダルAI(MMM)への進化: テキストだけでなく、画像や音声なども理解するAIの進化が進行中。
- 日本のAI活用状況と課題: 日本企業のAI活用が遅れている現状と、それに対する緊急性が強調されています。
未来はすぐそこに迫っています。孫氏が示すように、AIとその進化は無視できない現実です。
今こそ、その可能性を最大限に活用し、新しい未来を築くための行動を起こしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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