プログラミングの知識がなくてもデータを分析したい、複雑な数学的計算をしたい、あるいはグラフ作成がしたいけど、手順が分からない…
また、データファイルのアップロードや編集が必要だけど、どのように取り組めばいいかわからない…そんな経験はありませんか?
それらの課題を解決するために開発されたのが、ChatGPTの「Code Interpreter(コードインタープリター)」機能です。
この新機能「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」は米国時間2023年7月6日に、OpenAIがChatGPTの能力をさらに広げるために開発した公式プラグインとして提供されました。
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter:コードインタープリター)」機能とは、一言でいうと自然言語指示に基づいたコード生成と実行能力を追加するツールです。
この機能を使えば、プログラミングの知識がなくても、データファイルのアップロードから分析、さらには複雑な数学的計算やデータの視覚化(グラフ作成)まで、これまで専門的な知識が必要だった作業が手軽に行えるようになります。
そこでこの記事では、ChatGPTの新機能「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」の使い方を詳しく解説します。
この記事を読むことで、以下のメリットがあります。
- 「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能の基本的な使い方や活用方法を理解できる
- プログラムの知識がなくてもコードを活用できるようになる
- データファイルのアップロード・分析、数学的計算、データの視覚化(グラフ作成)などが手軽にできるようになる
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」の豊富な機能を活用すれば、あなたもデータ分析や視覚化、複雑な計算が手軽にできるようになります。
さあ、一緒に「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」の世界を探索し、新たな可能性を見つけ出しましょう!
ChatGPTのプラグインとは?
OpenAIが、ChatGPTの新機能として「プラグイン(Plugins)」のβ版を2023年5月12日から提供を開始しました。
「プラグイン(Plugins)」とは、あなたのChatGPTをより強力で多機能にカスタマイズするための追加ツールのことです。ChatGPT Plusユーザーであれば誰でも使用可能です。
なお、「プラグインってなに?」や「ChatGPTのプラグインとは?」など疑問に思っている方のために、「プラグインの基本」や「プラグインの一覧」についてはこちらの記事に詳しく解説しています。
プラグインを初歩から知りたいという方の参考になれば嬉しいです。
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」とは?開発元、開発目的は?
ChatGPTの「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter:コードインタープリター)」は、OpenAIによって開発されました。OpenAIは、AIの利益を全人類に届けることを目指して活動している非営利団体で、人工知能の研究と開発を行っています。
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」の開発目的は、プログラミングの知識がないユーザーでもコードを活用できるようにすることと、そして、以前はChatGPTができなかったデータファイルのアップロード・分析、複雑な数学的計算、データの視覚化(グラフ作成)などを可能にすることです。
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能で何ができる?
ChatGPTの「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter:コードインタープリター)」機能とは、自然言語の指示に基づいてPythonコードを生成し、それを直接実行することができるツールです。
これにより、ユーザーは「グラフを作成する」や「データを分析する」などの指示をChatGPTに与えるだけで、プログラミングの知識がなくても、ChatGPTがその作業を代行してくれます。
また、ユーザーがアップロードしたファイルの解析や、数学的な計算もこの機能を通じて実行することが可能です。
この「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能は、プログラミング初心者から経験豊富な開発者まで、多くのユーザーにとって有用な機能となるでしょう。
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」の具体的な主の機能をまとめると、以下のとおりです。
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」の主な機能
- 複雑な数学的計算: 複雑な数学的問題を解決し、その結果を提供します。
- テキスト解析: 入力されたテキストデータを解析し、その結果を提供します。
- データの視覚化: データ分析の結果をグラフや表などの形式で視覚的に表示します。
- ファイル形式の変換: ユーザーがアップロードしたファイルを別の形式(例えば、テキストファイルをCSVに変換するなど)に変換します。
- ファイル操作: ユーザーがアップロードしたファイルの読み取りや編集を行います。
- データ分析: ユーザーが提供したデータ(ファイルアップロードや直接の文字列や数値の入力等)を解析し、その結果を提供します。
- Pythonコード生成と実行: 自然言語でのプロンプトに基づいてPythonコードを生成し、そのコードを実行します。
ChatGPTの新機能「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」の使い方
それでは、ChatGPT(GPT-4)で「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能を使ってみます。
なお、OpenAIの米国時間2023年7月6日の発表では、「Code Interpreter は来週中にすべての ChatGPT Plus ユーザが利用できるようになります」ということでした。
僕の環境で確認したところ、日本時間2023年7月8日(米国時間2023年7月7日)には利用可能になってました。
もし「Code Interpreter」が表示されない場合は、7月中旬くらいまで待ってみてください。
また、「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能を使用するには、有料プランのChatGPT Plus(月額20米ドル)に登録する必要があります。
つまり、ChatGPT Plusユーザーの特典として、「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能が使えるということになります。
「ChatGPT Plus」についてはこちらの記事に詳しく解説しています。
ChatGPTの新機能「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」の使い方(準備編)
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能は、デフォルトでは無効になっています。
まずは有効にする方法を紹介します。
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能を有効にする方法は次のとおりです。
ChatGPTにログインして、画面の左下にあるユーザー名をクリックする
下の画面のようにメニューが表示されますので、「Settings」をクリックします
「Beta features」をクリックする
下の画面のように、メニューが表示されます。
現在は日本語表示になっており、下のメニュー画面になります。
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」を有効にする
「Code Interpreter」を下の図のようにONにすると、「Code Interpreter」機能が有効になります。
現在は、日本語表記で「高度なデータ分析」となっています。
下の図のように「高度なデータ分析」をONにすると、「Advanced Data Analysis」機能が有効になります。
高度なデータ分析
Pythonコードの作成と実行、ファイルのアップロードが可能なChatGPTのバージョンを試してみてください。データ分析、画像変換、コードファイルの編集などのヘルプを求めてみてください。注意:ファイルは1セッションを超えて保存されません。
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」を選択する
「Code Interpreter」を有効にした後は、下の画面のように「Code Interpreter」が選択できるようになります。「Code Interpreter」を選択します。
現在は、下の画面のように「Advanced Data Analysis」と表示されます。
なお、通常のプラグインは、画面にある「Plugins」を選択し、最大3つのプラグインを同時に活用することが可能です。しかし、「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」は単独でしか使用できません。
【11/10追記】「OpenAI DevDay」後のアップデートで、ChatGPTのUIが大幅変更
ChatGPTを開発する米OpenAIが、開発者向けの初のカンファレンス「OpenAI DevDay」をサンフランシスコで2023年11月6日10時(日本時間11月7日午前3時) に開催しました。
「OpenAI DevDay」では、「GPT-4 Turbo」や「GPTs」、「GPT Builder」、「GPT Store」、新APIなど、驚きの新機能などが発表されました。
「OpenAI DevDay」についてはこちらの記事に詳しく解説しています。
「OpenAI DevDay」後に、ChatGPTがアップデートされ、UI(ユーザーインターフェース)が大きく変更されました。
「OpenAI DevDay」後のアップデートで、以下のUIに変更されました。画面は「ChatGPT 4」を選択した様子です。
「GPT-4」の中に、「Advanced Data Analysis」の他、「DALL-E 3」「Browsing」が統合されました。
これにより、GPT-4を選択するだけで「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」が自動で使用できるようになりました。
入力欄の左端に[+]マークが表示される
下の画面のように、入力画面の左端に[+]マークが表示されます。
[+]を押すと、以下のようなファイルを添付してアップロードすることができます。
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能で使用できるデータファイルの例
- CSV(Comma-Separated Values): データ項目がコンマで分割されているテキスト形式で、表形式のデータを簡単に取り扱うことができます。
- Excel(.xlsx): Microsoft Excelで作成された表形式のデータファイル。データ分析や情報の整理によく使われます。
- JSON(JavaScript Object Notation): 構造化されたデータを表現するデータ交換形式の一つで、ウェブアプリケーション間でのデータ転送に広く使われています。
- TXT(テキストファイル): プレーンテキスト形式のデータ。文書やコードの保存に使われます。
- データベースファイル(.db、.sqlなど): SQLやその他のデータベース管理システムで使われるデータファイル形式。
- XML(eXtensible Markup Language): データの構造を定義し、データ交換に使われるマークアップ言語の一つです。
- TSV(Tab-Separated Values): データ項目がタブで分割されているテキスト形式。表形式のデータを簡単に取り扱うことができます。
- HDF(Hierarchical Data Format): 大規模な複雑なデータを保存するためのファイル形式。科学研究データなどによく使われます。
- PICKLE(Pythonのオブジェクトをシリアライズする形式): Pythonのオブジェクトをファイルとして保存、読み込みするための形式です。
- .mat(MATLABのデータファイル): MATLABという科学技術計算ソフトウェアで用いられるデータファイル形式。科学研究データなどに使われます。
以上で、ChatGPTの「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能が使用可能になりました。
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能の使い方を聞いてみる
初めて「Code Interpreter」機能を使うので、まずはChatGPTに「Code Interpreter」機能の使い方を下記のように聞いてみました。
プロンプト:
ChatGPTの「Code Interpreter」機能の使い方をステップ形式で、初心者にわかりやすく教えてください。
するとChatGPTから、下記の回答が返ってきました。
基本的な使い方として、次のステップが回答されました。ChatGPTの返答をそのまま紹介します。
ステップ1: コードの準備
まずは、実行したいPythonコードを準備します。これはあなたが手元に持っているコードであったり、新しく書いたコードであったりします。
ステップ2: コードの入力
次に、そのコードをChatGPTのチャットボックスに入力します。ただし、入力する際には「python」という単語で始めてください。これはChatGPTにコードをPythonとして解釈するよう指示するものです。
例えば以下のようになります。
python
def add(a, b):
return a + b
add(1, 2)
ステップ3: コードの実行
次に、エンターキーを押してコードを送信します。ChatGPTはそのコードを解釈し、結果を返します。
ステップ4: 結果の確認
最後に、ChatGPTが返した結果を確認します。これは通常、Pythonコードの実行結果と同じ形式で表示されます。
以下に具体的な例を示します。
ユーザーの入力:
python
def add(a, b):
return a + b
add(1, 2)
ChatGPTの応答:
3
これらのステップを踏むことで、ChatGPTの「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能を使ってPythonコードを実行できます。
ただし、ChatGPTはインターネットに接続されていないため、ウェブスクレイピングやAPI呼び出しのようなネットワークアクセスを必要とするコードは実行できないことを覚えておいてください。
↑ChatGPTの返答はここまで↑
15歳でも出来る「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能の簡単な使い方(実例あり)
上記のChatGPTから教えてもらったステップでは、Pythonコードを書いて利用する方法でした。
僕を含め普段Pythonコードを使用しない人のために、簡単な使い方を知りたいと感じました。
そこで、下記のプロンプトを送信。
プロンプト:
Pythonコードなしでも使えますか?使えるのであれば、ChatGPTの「Code Interpreter」機能を、Pythonコードを使わない簡単な一般的な使い方で、例文をあげて15歳でも理解できるように教えてください
ChatGPTから下記の回答が返ってきました。
とても簡単な使い方を、例文とともに教えてくれました!
15歳でもできる「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能の簡単な使い方は以下のとおりです。
15歳でもできる「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能の簡単な使い方
- 自然言語で質問する: 「2足す3は何ですか?」
- データファイルをアップロードする: 「このデータの平均値を計算してください」
つまり、「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能には次のようにプロンプトを出せば良いということになります。
例:数学的な計算をしてもらいたい
- 「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能を選択
- 「2足す3は何ですか?」
- 2のプロンプトをチャットに入力して送信
例:データファイルの平均値を計算してもらいたい
- 「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能を選択
- データファイル(CSVファイルやExcelファイルなど)をアップロード
- 「このデータの平均値を計算してください」
- 3のプロンプトをチャットに入力して送信
なんと、自然言語で「プロンプト(命令文)」を書いたり、データを添付したりして送信するだけ!簡単ですね!
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能を使ってみた!
それでは実際にChatGPTの「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能を使ってみます。
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能で、数学的な計算をした結果は?
先ほど、ChatGPTが「Code Interpreter」機能の使い方の例に挙げた、「2足す3は何ですか?」を試してみます。
以下のプロンプト(命令文)を出してみました。
ChatGPTの回答は以下のとおり。
2足す3は5になります。
正解を答えてくれました。
この例は非常に簡単な計算ですが、以前はChatGPTが数学的な計算に苦労していたことを考えると、「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能によって数学的な計算が容易になったことは大きな進歩です。
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能で、データファイルの平均値を計算をした結果は?
次は、ChatGPTが「Code Interpreter」機能の使い方の例に挙げた、「このデータの平均値を計算してください」を試してみます。
データのサンプルとして、以下のデータファイル(CSVファイル)を準備しました。
これは成績一覧表のデータで、3年1組(45名)の5科目の各点数と、5科目の合計点がデータ化してあります。
このデータファイル(CSVファイル)を添付して、以下のプロンプト(命令文)を出してみました。
ChatGPTの回答は以下のとおり。
最初、文字エンコーディングの問題でエラーになりました。しかし、すぐに再読み込みをしてくれて、プロンプトどおりに以下のように平均値を計算してくれました。
データの平均値を計算しました。以下にその結果を示します:
- 学年: 3.0
- 組: 1.0
- 番号: 23.0
- 国語: 74.16
- 数学: 69.62
- 理科: 70.31
- 社会: 70.24
- 英語: 74.51
- 合計: 358.84
これらの値は、各列の平均値を示しています。”学年”や”組”、”番号”などの列は一般的に平均を取る対象とはなりませんが、データ全体の要約統計として表示しています。
“学年”や”組”、”番号”についての説明も丁寧にしてくれました。バッチリですね!
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」ができる7つの活用事例
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」は多くの機能性がありますが、一般的な使い方として次の7つの活用方法を例として紹介します。
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」ができる7つの活用事例
それでは、順番に説明します。
①複雑な数学的問題の解決を試す
ChatGPTの「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能を使えば、複雑な数学的問題を簡単に解決できます。
例えば、立方根を求める問題や、ある数が素数であるかを判定する問題などを解くことができます。以下に具体的な例を示します。
以下のプロンプト(命令文)を出してみました。
ChatGPTの回答は以下のとおり。
8の立方根は2です。
②テキスト解析を試す
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能はテキスト解析にも利用することができます。
例えば、ある文章の単語数を数えたり、特定の単語が何回出現するかを調べたりすることが可能です。以下に具体的な例を示します。
以下のプロンプト(命令文)を出してみました。
ChatGPTの回答は以下のとおり。
“Hello, world! This is a test message.”という文章の単語数は7です。
③データの視覚化を試す
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能はデータの視覚化にも利用できます。
例えば、あるリストのデータを棒グラフや折れ線グラフに表示することができます。以下に具体的な例を示します。
折れ線グラフを表示してみた結果
まずは、折れ線グラフを表示してみます。
以下のプロンプト(命令文)を出してみました。
ChatGPTの回答は以下のとおり。
上図は、指定されたリスト[1,2,3,4,5] の折れ線グラフを表示しています。x軸はリストのインデックス、y軸はその値を表しています。
ヒストグラム(度数分布図)を表示してみた結果
次に、ヒストグラム(度数分布図)を表示してみます。上でサンプルとして使用した「成績一覧表のデータ」を使います。
「成績一覧表.csv」のCSVファイルを添付して、以下のプロンプト(命令文)を出してみました。
ChatGPTの回答は以下のとおり。
上図は、データの「合計」列のヒストグラムを表示しています。x軸は「合計」のスコア、y軸はそのスコアの頻度(出現回数)を表しています。
エンコーディングのエラーが続きましたが、読み込みは成功しました。どの数値の列のヒストグラムを作成するかを聞かれたので、「合計」の列を選択し、無事にヒストグラムを表示することができました。
④異なる形式のファイル間での変換を試す
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能を使えば、異なる形式のファイル間での変換も可能です。
例えば、CSVファイルをExcelファイルに変換したり、逆にExcelファイルをCSVファイルに変換したりすることができます。ただし、この機能はChatGPTがファイル操作をサポートしている場合に限ります。
以下に具体的な例を示します。
「成績一覧表.csv」のCSVファイルを添付して、以下のプロンプト(命令文)を出してみました。
ChatGPTの回答は以下のとおり。
CSVファイルをExcelファイルに変換しました。以下のリンクからダウンロードできます。
成績一覧表.xlsxをダウンロード
リンクをクリックすると、以下のとおり変換に成功した「成績一覧表.xlsx」ファイルがダウンロードができました。
⑤アップロードしたファイルの読み取りや編集を試す
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能を使えば、アップロードしたファイルの読み取りや編集も可能です。
例えば、テキストファイルを読み込み、その内容を表示したり、特定の単語を別の単語に置き換えたりすることができます。以下に具体的な例を示します。
ChatGPTについて書いたテキストを、「ChatGPTとは?.txt」のテキストファイルとして準備しました。
そして、「ChatGPTとは?.txt」のテキストファイルを添付して、以下のプロンプト(命令文)を出してみました。
ChatGPTの回答は以下のとおり。
ファイル”ChatGPTとは?.txt”の内容は次のとおりです:
ChatGPTはOpenAIによって訓練された大規模な言語モデルです。このモデルは、大量のテキストデータを学習することで、あらゆる種類の質問に答えたり、様々なタスクを遂行することができます。例えば、物語を生成したり、課題を解決したり、質問に答えたり、さまざまな種類のテキストを生成することができます。
ChatGPTは大量のテキストからパターンを学習し、それらのパターンを用いて新しいテキストを生成します。これは、モデルが「理解」するというよりは、学習したパターンを再現するという感じです。しかし、それでもこのモデルは非常に強力で、多くのタスクをこなすことができます。
ただし、ChatGPTは完璧ではありません。時折、誤った情報を提供したり、理解できない質問に対して奇妙な回答をすることがあります。また、モデルは、訓練データに存在するバイアスも再現してしまうことがあります。これは、モデルが人間が書いたテキストから学習するためです。
また、ChatGPTは直接的な経験を持っていないため、自己意識や個人的な感情、意見を持つことはありません。すべての「回答」や「意見」は、学習したテキストデータから生成されたものであり、モデル自身の意見や感情ではありません。
以上が、ChatGPTについての説明です。他に何かご質問がありますか?
「ChatGPTとは?.txt」のテキストファイルは、約15000文字のテキストが保存されてます。
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」は、それを526文字にまとめて表示してくれました。要約して表示するということですね。
⑥データファイルの分析を試す
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能を使えば、アップロードしたデータファイルの分析も可能です。
例えば、CSVファイルを読み込んでそのデータの統計情報を得る、などが可能です。以下に具体的な例を示します。
上でサンプルとして使用した「成績一覧表のデータ」を添付して、以下のプロンプト(命令文)を出してみました。
ChatGPTの回答は以下のとおり。
“成績一覧表.xlsx”ファイルの各列の最小値と最大値は次のとおりです:
- 試験名: 最小値 = “1学期中間試験”, 最大値 = “1学期中間試験”
- 担任: 最小値 = “山田 諭”, 最大値 = “山田 諭”
- 学年: 最小値 = 3, 最大値 = 3
- 組: 最小値 = 1, 最大値 = 1
- ?: 最小値 = 1, 最大値 = 45
- 氏名: 最小値 = “三宅 京子”, 最大値 = “高木 博子”
- 国語: 最小値 = 44, 最大値 = 98
- 数学: 最小値 = 44, 最大値 = 99
- 理科: 最小値 = 35, 最大値 = 95
- 社会: 最小値 = 35, 最大値 = 99
- 英語: 最小値 = 35, 最大値 = 98
- 合計: 最小値 = 292, 最大値 = 468
ただし、この結果は文字列や数値が混在しているため、一部の列では意味を成さない場合があります。特に、数値データとしての最小値と最大値を知りたい列があればお知らせください。
⑦Pythonコードの生成と実行を試す
最後に、「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能を使えば、Pythonコードの生成と実行も可能です。
例えば、自然言語で指示を出して、それに基づくPythonコードを生成し、結果を得ることができます。以下に具体的な例を示します。
以下のプロンプト(命令文)を出してみました。
ChatGPTの回答は以下のとおり。
Pythonで1から100までの数値の合計を計算するには、以下のようなコードを書くことができます。
sum(range(1, 101))
ここで、range(1, 101)
は1から100までの連続する整数を生成し、sum()
関数はそれらの整数の合計を計算します。
では、生成されたPythonコードをプロンプトとして実行してみます。
ChatGPTの回答は以下のとおり。
1から100までの数値の合計は5050です。
同様の機能を持つ「Wolfram」プラグインについて
以前、当ブログで紹介した「Wolfram」プラグインも、「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能と同様の機能があり、ChatGPTに強力な計算能力とデータ分析、グラフ描画機能などの機能を追加するツールです。
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能にあるファイルアップロードはできませんが、数あるChatGPTのプラグインの中でも人気プラグインとして多くのユーザーに使われてますので、「Wolfram」プラグインもぜひチェックされてみてください。
「Wolfram」プラグインについてはこちらの記事に詳しく解説しています。
【9/16追記】ChatGPTの設定メニューが完全日本語化!
早期プレビューのアルファ版で、「ロケール(アルファ版)」が選択できるようになりました。
ロケールとは何か?
“ロケール”(locale)とは、言語や通貨、時間形式など、特定の地域や文化に関連する一連の設定や属性をまとめたものです。
このロケールの設定によって、コンピュータプログラムやウェブサイト、オペレーティングシステムなどで、ユーザーインターフェースや出力データの形式が変わるのです。
例えば、アメリカ合衆国のロケール(en_US)では、通貨がドル記号($)で、日付は”月/日/年”という形式で表示されます。対照的に、日本のロケール(ja_JP)では、通貨は円記号(¥)で、日付は”年/月/日”という形式で表示されるのです。
このように、ロケールはプログラムがユーザーの地域や文化に適応するための非常に重要な要素となります。
ロケールを日本の設定「ja_JP」に変更すると、ChatGPTが完全日本語対応になり、設定メニューも下の画面のように日本語表示になります。
今回の新機能「Code Interpreter(コードインタープリター)」は日本語で「高度なデータ分析」と説明されています。
高度なデータ分析
Pythonコードの作成と実行、ファイルのアップロードが可能なChatGPTのバージョンを試してみてください。データ分析、画像変換、コードファイルの編集などのヘルプを求めてみてください。注意:ファイルは1セッションを超えて保存されません。
日本語での説明があると、理解が格段に容易になりますね。
「完全日本語対応(早期プレビュー アルファ)」ロケールで日本語設定可能に!についてはこちらの記事に詳しく解説しています。
まとめ
OpenAIのChatGPTに新機能「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」が登場しました。
この「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能は、OpenAIがChatGPTの能力をさらに広げるために開発した公式プラグインとして提供されています。
なお、通常のプラグインは最大3つまで同時に活用することが可能ですが、「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」は単独でしか使用できません。
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能は、プログラムの知識がなくても自然言語でPythonコードを生成・実行できるようにするためのものです。
データのアップロード・分析・数学的計算、グラフ作成、ファイル操作、さらにはPythonコードの生成と実行まで、多様なタスクを可能になりました。
また、ユーザーが提供したデータ(ファイルアップロードや直接の文字列や数値の入力等)を詳細に解析し、さらにその結果を視覚的に表示するというデータ可視化の機能も持っています。
最後にもう一度、「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」機能の主な機能をまとめます。
「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」の主な機能
- 複雑な数学的計算: 複雑な数学的問題を解決し、その結果を提供します。
- テキスト解析: 入力されたテキストデータを解析し、その結果を提供します。
- データの視覚化: データ分析の結果をグラフや表などの形式で視覚的に表示します。
- ファイル形式の変換: ユーザーがアップロードしたファイルを別の形式(例えば、テキストファイルをCSVに変換するなど)に変換します。
- ファイル操作: ユーザーがアップロードしたファイルの読み取りや編集を行います。
- データ分析: ユーザーが提供したデータ(ファイルアップロードや直接の文字列や数値の入力等)を解析し、その結果を提供します。
- Pythonコード生成と実行: 自然言語でのプロンプトに基づいてPythonコードを生成し、そのコードを実行します。
これらの特性を持つ「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」は、誰もが高度なデータ分析やコーディングの力を手に入れ、より高度なタスクに挑戦できるようになります。
これまでに紹介したChatGPT 新機能の一覧
ChatGPTは日々進化しており、新機能が頻繁に追加されています。
これらの新機能は、ユーザーの使いやすさを向上させるため、またより多様な用途でChatGPTを活用できるように設計されています。
これまでに紹介した新機能は、定期的に更新される「ChatGPT 新機能の一覧(カテゴリページ)」にて詳しく解説しています。
新機能を効果的に活用することで、ChatGPTの可能性をさらに広げることができます。
新機能のアップデート情報は、当ブログで随時お知らせしていますので、最新の情報をチェックして、ChatGPTの魅力を最大限に活用しましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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